1962年6月、ローリング・ストーンズの創設メンバーであるブライアン・ジョーンズが、後にバンドのドラマーとなるチャーリー・ワッツに宛てて送った直筆の手紙が、初めて公に開示されました。この書簡は、今年12月にニューヨークで開催されるサザビーズのオークションに出品される予定です。< SOURCE: RollingStone Magazine >
手紙は消印が1962年6月3日となっており、ロンドンのウェンブリーにあるチャーリーの実家宛てに「Mr. C. Watts」として郵送されたものです。当時、チャーリーはアレクシス・コーナーが率いる「ブルース・インコーポレイテッド」というバンドでドラムを叩いていました。
手紙の冒頭でブライアン・ジョーンズは、「親愛なるチャーリー、もしこの手紙をいくぶん不躾だと感じたなら、どうか許してほしい。」と切り出しています。
続けてブライアンは、「現時点で、君とアレックスのバンドとの関係がどうなっているのかは分からない。ただ、昨夜イーリングで、ニック・ニコルズがドラムを叩いているのを見かけたよ。もし今後アレックスと共演する予定がなく、それでもR&Bを演奏したいと考えているなら、私たちには優秀なドラマーが必要です。」と綴っています。チャーリーが不在の場で別のドラマーの演奏を目にしたブライアンは、この機会に彼を自分たちのバンドへ誘おうと考えたのかもしれません。
さらに、自分たちのバンドがアレクシス・コーナーのバンドよりもはるかに優れており、非常にまとまったサウンドが得られつつあると自信を覗かせ、「私たちは月曜日、水曜日、金曜日にリハーサルを行っています。」と具体的な活動状況を提示して熱心に勧誘しています。
追伸(P.S.)部分では、当時のバンド編成について「現在はギター2本、ハーモニカ、ピアノ、そしてドラム。将来的にはベースギターを導入する予定です」と説明した上で、「私たちの現在のドラマーはひどいものです!」と不満を漏らしています。
海外メディアでは、この「ひどいドラマー」が誰を指すのかについて、トニー・チャップマン(Tony Chapman)やミック・エイヴォリー(Mick Avory)らの名前が挙がっています。チャップマンは1962年7月12日にマーキー・クラブで行われたストーンズの初ライブでドラムを担当し、エイヴォリーもごく初期にバンドのリハーサルなどに参加していました。ただし、手紙の記述だけでは、ブライアンがどちらを念頭に置いていたのかは特定できません。
この手紙が送られたのは、ストーンズが7月12日にマーキー・クラブで初ライブを行う約5週間前のことです。グラフィックデザイナーとしても働いていたチャーリーは、当時まだプロとしての生活基盤が不安定だったストーンズへの加入に慎重でした。チャーリーは約7か月後の1963年1月に正式にメンバーとなりました。その後、2021年8月に亡くなるまで、約58年間にわたりバンドの屋台骨を支え続けることになります。
サザビーズによると、この手紙は元の封筒とともに60年以上にわたってチャーリーの家族が保管してきたもので、今回、妹から提供されました。オンライン入札は12月2日から始まり、12月15日に開催される「Rock & Pop」セールにて落札される予定です。予想落札価格は7万ドルから8万ドル(日本円で約1,000万円〜1,200万円前後)と推定されています。
以下、手紙の全文です。
Dear Charlie,
If you consider this letter rather impertinent, please excuse me. I don’t know at the moment what your relationship with Korner’s band is. I noticed Nick Nicholls was drumming last night at Ealing. If you are not going to work with Alexis in the future, and still want to play R&B, we are looking for a good drummer. Already we consider our band far better than Alexis’s – we are getting a very tightly-knit sound.
We are rehearsing on Mondays, Wednesdays and Fridays.Anyway, if you have time, let me know what’s happening.
Cheers,
Brian Jones
P.S. If you are interested, our present line-up is 2 guitars, harp, piano + drums. We are going to use a bass guitar eventually. Our present drummer is atrocious!
