The Rolling Stones, Now!

The Rolling Stones, Now!
  1. Everybody Needs Somebody To Love
  2. Down Home Girl
  3. You Can’t Catch Me
  4. Heart Of Stone
  5. What A Shame
  6. Mona (I Need You Baby)
  7. Down The Road Apiece
  8. Off The Hook
  9. Pain In My Heart
  10. Oh Baby (We Got A Good Thing Goin’)
  11. Little Red Rooster
  12. Surprise, Surprise

Released: 13 February 1965
Producer: Andrew Loog Oldham

Additional Musicians:
Jack Nitzsche – Piano
Ian Stewart – Piano

1965年2月にリリースされた、アメリカにおける3枚目のアルバム『The Rolling Stones, Now!』。

本作は、シカゴのチェス・スタジオやハリウッドのRCAスタジオといったアメリカ本国の最高峰の環境で録音され、ストーンズが持つ「黒いグルーヴ」が最も濃密にパッケージされた初期の最高傑作として名高い一枚です。

英国セカンドアルバム『No.2』と6曲が重複していますが、アメリカのファンに向けてより強力なシングル曲が惜しみなく投入されています。ジャガー/リチャーズのオリジナル「Heart of Stone」のヒットなど、バンドが世界的なスターへと駆け上がる瞬間の熱気が詰まった全12曲を解説します。

アメリカで磨かれたR&Bスピリット!

  • Everybody Needs Somebody To Love – ソロモン・バークのカバー。英国盤『No.2』に収録されたロングバージョンとは異なり、こちらは通称「Studio Run-Through Version」と呼ばれる、アップテンポで疾走感のある貴重なテイクです。
  • Down Home Girl – アルヴィン・ロビンソンのR&Bをカバー。低音がズッシリと響く泥臭くファンキーなガレージ・サウンドが絶品。
  • You Can’t Catch Me – チャック・ベリーのカバー。リズム隊のハネるようなグルーヴに、キースの小気味いいカッティングギターが絡み合う、疾走感抜群のトラック。
  • Heart Of Stone – ジャガー/リチャーズ作のオリジナル。全米16位を記録するヒットとなり、ミックのソウルフルな歌唱とキースの冷徹なギターリフが、彼らのソングライティング能力の開花を証明した初期の名曲。
  • What A Shame – ジャガー/リチャーズ作。アメリカのブルースマンたちへのリスペクトを隠そうともしない、泥臭いスライドギターが印象的に響くオリジナル・ブルース。
  • Mona (I Need You Baby) – ボ・ディドリーのカバー。イギリスのファーストアルバムに収録されながらアメリカ盤ではカットされていた呪術的な名曲が、ここでようやくアメリカのファンの元へ届けられました。
  • Down The Road Apiece – チャック・ベリー風のアレンジをベースに、バンド全員が一体となって突っ走る超高速ブギウギ・ロック。ストーンズの初期の演奏力の高さを見せつける一曲。
  • Off The Hook – ジャガー/リチャーズ作のオリジナル。キャッチーなリフとビートが心地よいロックナンバーで、ライブ映えするエネルギッシュな構成。
  • Pain In My Heart – オーティス・レディングのカバー。ミックがソウルミュージックの巨匠に挑み、絞り出すような情熱的なボーカルを聴かせるバラード。
  • Oh Baby (We Got A Good Thing Goin’) – バーバラ・リンの小粋なR&Bをカバー。ポップで軽快なビートに乗せて、ミックとメンバーのコーラスワークが心地よく弾む隠れた名演。
  • Little Red Rooster – ハウリン・ウルフ(ウィリー・ディクスン作)のシカゴ・ブルースを徹底的にコピー。イギリスではシングルとして全英1位を獲得したものの、アメリカの一部では歌詞が性的と受け取られ放送を敬遠するラジオ局もあった、いわくつきの超重要ブルースカバー。ブライアンの見事なスライドギターが冴え渡っています。
  • Surprise, Surprise – ジャガー/リチャーズ作のオリジナル。イギリスではアルバム未収録だったポップなロックナンバーで、アルバムのラストを軽快に締めくくります。
💡「Everybody Needs Somebody To Love」の複雑なバージョン違いの謎

この1曲目に収録されているテイクは、英国盤『No.2』のドロっとした5分近いロングバージョンとは全く異なります。

このUS盤『Now!』に収録されたバージョンは、テンポが速く、トータル約3分弱に編集されたコレクターの間では「Studio Run-Through」と呼ばれるテイクをベースにしています。実はアメリカのレコード会社(ロンドン・レコード)が、イギリスから送られてきた未完成のマスターテープを間違えてそのままアルバムに使用してしまったと言われています。

結果として、キャッチーなスピード感となり、多くのファンに親しまれています。ベスト盤『Hot Rocks』などにもこのUS盤バージョンが収録されており、ストーンズの初期カタログの中でも、経緯が特にユニークなバージョンとして知られています。