
- Not Fade Away
- (Get Your Kicks On) Route 66
- I Just Want To Make Love To You
- Honest I Do
- Now I’ve Got A Witness (Like Uncle Phil And Uncle Gene)
- Little By Little
- I’m A King Bee
- Carol
- Tell Me (You’re Coming Back)
- Can I Get A Witness
- You Can Make It If You Try
- Walking The Dog
Released: 30 May 1964
Producer: Andrew Loog Oldham, Eric Easton
Additional Musicians:
Gene Pitney – Piano
Phil Spector – Percussion, Maracas
Ian Stewart – Organ, Piano
1964年5月、イギリスでの大ヒットの熱気が冷めやらぬまま、アメリカ市場をターゲットにリリースされた記念すべきUSデビュー作『England’s Newest Hit Makers』。
ビートルズが巻き起こした「ブリティッシュ・インヴェイジョン(英国の侵略)」の渦中に投入された本作は、当時、多くのアメリカの若者が見過ごしていたブルースやR&Bの魅力を、イギリスのバンドが新たな形でアメリカへ届けることになった一枚です。
英国盤『The Rolling Stones』の荒々しさはそのままに、アメリカの若者へ向けてより「ヒット重視」の戦略へと大胆に収録曲がチェンジされています。その全12曲の背景を解説します。
メンバーのルーツがわかる!全収録曲解説
アルバム全12曲のカバーとオリジナル曲の背景を徹底解説します。
- Not Fade Away – 英国盤の「Mona」に代わって配置された、バディ・ホリーの原曲に呪術的なボ・ディドリー・ビートを融合させたUS盤の目玉曲。
- (Get Your Kicks On) Route 66 – ボビー・トゥループ作のスタンダードナンバーを、若さあふれるロックンロールへとアレンジ。
- I Just Want To Make Love To You – シカゴ・ブルースの巨匠マディ・ウォーターズのドロっとした原曲を、荒々しいガレージロック調に昇華。
- Honest I Do – ジミー・リードが放った味わい深いブルースを、ミックのどこか切ないブルースハープとともに忠実にカバー。
- Now I’ve Got A Witness – スタジオの勢いそのままに録音されたインストゥルメンタル。
- Little By Little – フィル・スペクターとの共作としてクレジットされ、本人もマラカスで参加した躍動感あふれる12小節ブルース。
- I’m A King Bee – スリム・ハーポの古典的なブルースをカバーし、キースによる象徴的なスライドギターが光る初期の名演。
- Carol – チャック・ベリーへの深い敬愛が感じられるギタープレイ。
- Tell Me (You’re Coming Back) – アルバム唯一となるジャガー/リチャーズ作の、アコースティックギターが切なく響く初のオリジナル・バラード。
- Can I Get A Witness – モータウン・ソウルのスター、マーヴィン・ゲイのヒット曲に挑戦した、彼らの最新R&Bへの憧れが詰まったトラック。
- You Can Make It If You Try – ジーン・アリソンのゴスペル調バラードをカバーし、ソウルミュージックに対するバンドの深いリスペクトを表現。
- Walking The Dog – ルーファス・トーマスの軽快なソウルをカバーし、間奏でブライアンが吹く印象的な「口笛」がアルバムを小粋に締めくくる。
| 💡約2分短い米国盤 英国盤『The Rolling Stones』とこの米国盤『England’s Newest Hit Makers』を比べたとき、曲の入れ替えだけでなく、アルバム自体のトータル収録時間も米国盤の方が約2分ほど短くなっています。 これには、初期ストーンズならではの2つの面白い理由(バージョン違い)があります。 ① 「Mona」と「Not Fade Away」の決定的な長さの違い 米国盤でカットされた「Mona」の収録時間は3分33秒。それに対して、代わりに1曲目に滑り込んだヒットシングル「Not Fade Away」はわずか1分48秒しかありません。この1曲の差し替えだけで、アルバム全体が1分45秒も短縮されています。 ② 「Tell Me」のフェードアウトが早い(ショートバージョン問題) 英国盤に収録されていた「Tell Me」は、キースのギターソロがバンド演奏の終了までじっくり聴けるロングバージョン(4分05秒)でした。しかし、この米国盤ではアメリカのラジオ放送やシングルカットを意識して、ショートバージョンに差し替えられています。 このように、アメリカ市場を意識した「スピード感とヒット重視」の編集が行われた結果、アルバム全体の尺までコンパクトになっているのが、米国盤『England’s Newest Hit Makers』の隠れたマニアックな聴きどころです。 |