
- Let’s Spend The Night Together
- Yesterday’s Papers
- Ruby Tuesday
- Connection
- She Smiled Sweetly
- Cool, Calm & Collected
- All Sold Out
- My Obsession
- Who’s Been Sleeping Here?
- Complicated
- Miss Amanda Jones
- Something Happened To Me Yesterday
Released: 10 February 1967
Producer: Andrew Loog Oldham
Additional Musicians:
Ian Stewart – Piano, Organ
Jack Nitzsche – Piano, Harpsichord
1967年2月にリリースされた、アメリカにおける通算7枚目のオリジナル・アルバム『Between the Buttons (US)』。本作は、ストーンズの初期ディスコグラフィーにおいて「イギリス盤とアメリカ盤で内容が異なる最後のオリジナル・アルバム」という、歴史的な区切りとなった非常に重要な一枚です。
英国盤に漂っていた小粋なポップ・サイケデリックのトーンはそのままに、当時の大ヒット両A面シングル2曲を惜しみなく投入。よりポップで親しみやすい内容へと再構成された全12曲を解説します。
2大名曲がアルバムを牽引する!
- Let’s Spend The Night Together – 英国盤の「Yesterday’s Papers」に代わり、アルバムの幕開けを飾る超名曲。イアン・スチュワートの力強いピアノとチャーリーのドラムが炸裂するアップテンポなロックナンバーで、アメリカのTV番組『エド・サリヴァン・ショー』で歌詞の変更を強要されたことでも有名な、US盤を象徴するオープニングトラック。
- Yesterday’s Papers – ミックのシニカルな歌詞が光るキャッチーなポップソング。ブライアンのマリンバとハープシコードの響きが、大ヒットの興奮冷めやらぬ1曲目からの流れをカラフルに繋いでいます。
- Ruby Tuesday – 全米1位を獲得した、ロック史に残る最高峰のアコースティック・バラード。ブライアンの吹くリコーダーと、ビル・ワイマンが弓で弾くアップライトベースの哀愁漂う音色が、ミックの切ないボーカルと奇跡的に融合したUS盤を代表する1曲。
- Connection – ミックとキースの掛け合いが印象的なストレートなロックンロール。ツアー先でのトラブルや孤独をポップに歌い飛ばす、キースの原点が詰まったナンバー。
- She Smiled Sweetly – ジャック・ニッチェのハモンドオルガンが厳かに響く、内省的で美しい3拍子のバラード。ミックの優しく包み込むようなボーカルスタイルが素晴らしいトラック。
- Cool, Calm & Collected – 1920年代の英国ボードビル(大衆演劇)の雰囲気をサイケデリックに再現したコミカルな楽曲。終盤に向けて演奏がカオスへとなだれ込むギミックが秀逸。
- All Sold Out – ファズギターの不穏なリフに、ブライアンのリコーダーが絡み合うフォーク・ロックナンバー。ストーンズらしいトガった棘と気怠さが同居しています。
- My Obsession – ドライブ感溢れるピアノとベースラインが強烈なグルーヴを生み出す変則ガレージロック。ミックとキースのコーラスワークが心地よい1曲。
- Who’s Been Sleeping Here? – ボブ・ディラン作品を思わせる、哀愁漂うカントリー・フォーク・ロック。ブライアンのハーモニカが旅情的な雰囲気を演出。
- Complicated – チャーリーの正確なドラミングと、ジャック・ニッチェによるハープシコードが融合したガレージ・ポップ。一度聴いたら耳から離れないリフレインが魅力のトラック。
- Miss Amanda Jones – キースのキレ味抜群のカッティングギターが全編で炸裂する、アルバム中最も従来のストーンズらしい王道のスピード感に満ちたロックンロール。
- Something Happened To Me Yesterday – ミックとキースが交互にボーカルを分け合い、当時の不思議な出来事をユーモラスに描いたとも解釈される、アルバムのラストを飾るミュージックホール風のポップソング。最後はアンドリュー・オールダムの語りでアルバムがコミカルに幕を閉じます。
| 💡「夜をぶっとばせ」の歌詞変更事件と、英米で内容が異なる時代の終焉 本作に収録された「Let’s Spend The Night Together(夜をぶっとばせ)」は、当時の保守的なアメリカのメディアから猛烈な逆風を受けました。 エド・サリヴァン・ショーでの屈辱とミックの反抗 1967年1月、ストーンズはアメリカの国民的番組『エド・サリヴァン・ショー』に出演。しかし、番組側から「『一緒に夜を過ごそう』という歌詞は性的で過激すぎる。『一緒にしばらく時間を過ごそう(Let’s spend some time together)』に変えなければ出演できない」と求められました。 バンドは生放送で要求を呑んだものの、ミック・ジャガーはその一節を歌う際、カメラに向かってこれ以上ないほど露骨に「目をぐるりと剥いて呆れた表情(アイ・ロール)」をして見せ、メディアの検閲に対する強烈な皮肉と反抗を示しました。 最後の「アメリカ編集盤」というマイルストーン こうしたトラブルを抱えながらも、アルバムは全米2位まで登り詰める大ヒットを記録。そして1964年から続いてきた「UK盤とUS盤は別作品」という時代は、このアルバムをもって幕を閉じました。以降のストーンズは、世界共通のアルバムを発表するアーティストへと歩みを進めていきます。 |