ローリング・ストーンズ・ディスコグラフィー Get Yer Ya-Ya’s Out!

1969年の北米ツアーからニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンでのステージを中心に収録したストーンズにとっては2枚目のライヴ・アルバム。当時評判になっていた11月9日のカリフォルニア州オークランド公演のブートレグ『Live’r Than You’ll Ever Be』に対抗してリリースされたと言われています。ブライアン・ジョーンズの後任として加入したミック・テイラーとキース・リチャーズによる2台のギターのアンサンブルが最大の聴きどころです。まだ不安定だったテイラー加入後の初ライブであったハイドパークから、わずか4か月後とは思えないほどの完成度の高い演奏を聴かせます。

トラックリストは、チャック・ベリーのカバー曲2曲、ロバート・ジョンソンの曲1曲、そしてストーンズがベガーズ・バンケット・セッションまたはレット・イット・ブリード・セッションから作り上げたオリジナル曲で構成されています。途中でテンポが変わるドラマチックなアレンジの「Midnight Rambler」は9分にもおよぶ演奏で、その後のツアーでもコンサートのハイライトになります。スタジオ・バージョンではサンバのリズムが特徴だった「Sympathy for the Devil」はパーカションを使用しないシンプルなアレンジながら、キース、テイラーがリレー形式で繋ぐリード・ギターが素晴らしく、数あるストーンズのライブ盤の中でも最高の演奏を聴かせてくれます。

録音は1969年11月27日と1969年11月28日(2回のショー)のマジソン・スクエア・ガーデンと「Love in Vain」のみ11月26日のボルチモア公演から収録され、オーバーダブ・セッションは1970年1月にロンドンのオリンピック・スタジオで行われました。完成した作品は多くの曲でリード・ヴォーカルの差し換え、バックアップ・ヴォーカルの追加、ギターのオーバーダビングなどが行われています。

Jumpin’ Jack Flash (27 November 1969: Madison Square Garden, New York City)
Carol (28 November 1969: MSG – first show)
Stray Cat Blues (28 November 1969: MSG – first show)
Love in Vain (26 November 1969: Civic Center, Baltimore)
Midnight Rambler (28 November 1969: MSG – second show)
Sympathy for the Devil (28 November 1969: MSG – first show)
Live with Me (28 November 1969: MSG – second show)
Little Queenie (28 November 1969: MSG – first show)
Honky Tonk Women (27 November 1969: MSG and 28 November 1969: MSG – second show)
Street Fighting Man (28 November 1969: MSG – first show)

Released: 4 September 1970
Producer: The Rolling Stones, Glyn Johns

40th Anniversary Deluxe Edition (2009)

2009年12月、40周年記念デラックス・エディションとして、56ページのブックレット、ツアー・ポスターをミニチュア化したカード、未発表ライブ・テイク5曲と、サポート・アクトを務めたB・B・キング、アイク&ティナ・ターナーの演奏も収めた3枚組CD＋DVD(ストーンズの未発表ライブ映像などを収録したもの)、さらに初回生産分には英初回盤LPを再現した紙ジャケット付というボックス・セットがリリースされました。これによってサポートアクトの演奏を含めた複数枚組のアルバムとしてリリースしたいというバンド側の当初のアイデアが実現しました。

40th anniversary deluxe box set

Disc 1 – Original Release