ローリング・ストーンズ・ディスコグラフィー Tattoo You

過去のアルバムのアウトテイクを元に制作された81年のアルバム。『Sticky Fingers』からバンドと関わり、本作でアソシエイト・プロデューサーを務めたクリス・キムジーは、ストーンズがこれまで残してきた膨大なアウトテイクを調べ上げるとことから作業を開始しました。最も初期の曲は「Tops」と「Waiting on a Friend」。両曲のバッキング・トラックは、ミック・テイラーとのセッション中に録音されました。テイラーはクレジットされませんでしたが、後にアルバムの印税の一部を要求し、受け取ります。『Black And Blue』のセッションからは「Slave」と「Worried About You」が収録されました。キーボードにビリー・プレストン、パーカッションにオリー・E・ブラウンが参加して、「Worried About You」ではウェイン・パーキンスがリード・ギターを弾いています。オープニング・ナンバーの「Start Me Up」も『BlacK And Blue』のセッション中に録音されたレゲエ・ナンバーです。『Some Girls』セッションで「Never Stop」というタイトルで再録音されながらも放棄され、最終的には「最も有名なギター・リフ」を携えてストーンズの代表的なナンバーとして復活しました。

オーバーダブにはピート・タウンゼントや、ジャズ・サックス奏者のソニー・ロリンズがゲストとして呼ばれました。ロリンズの参加はジャズ通のチャーリー・ワッツの希望により実現したとのこと。当初はこれらゲスト・ミュージシャンの参加はクレジットされていませんでした。

Start Me Up
Hang Fire
Slave
Little T & A
Black Limousine
Neighbours
Worried About You
Tops
Heaven
No Use In Crying
Waiting On A Friend

Released: 24 August 1981
Producer: The Glimmer Twins

Additional Musicians：
Ian Stewart – Piano
Nicky Hopkins – Piano, Organ
Billy Preston – Keyboards
Sonny Rollins – Sax
Wayne Perkins – Guitar
Ollie E. Brown – Percussion
Pete Townshend – Backing Vocals
Jimmy Miller – Percussion
Michael Carabellovcowbell – Percussion
Chris Kimsey – Piano
Barry Sage – Handclaps
Sugar Blue – Harmonica

40th Anniversary Deluxe Edition (2021)

2021年に『Tatoo You』40周年記念としてデラックス・エディションとスーパー・デラックス・エディションが発売されました。デラックス・エディションには “Lost & Found – Rarities” と題された9曲の未発表トラックを収録したディスクが付属します。これらも録音された当時のままではなく、後から手を加えられた曲が多いように見受けられます。

アルバム発売前に先行で配信された「Living in the Heart of Love」は1974年ドイツで録音されたアウトテイク。ミュージック・ビデオも制作され、女優のマーガレット・ティアムとネリア・ハズーナが放蕩の夜を楽しむという内容です。『Tatoo You』リリース当時のストーンズの映像も使われており、特にチャーリー・ワッツの場面が多く、最後には「Charlie Is My Darling」というメッセージが表示されます。「Shame Shame Shame」はジミー・リードが1963年にレコーディングした曲。ストーンズは1997年のダブル・ドアーでのウォームアップ・ギグでこの曲を演奏しています。「Drift Away」はドビー・グレイの珠玉のソウル・ナンバーで、切々と歌い上げるミックのボーカルが実に良いです。「Troubles A’ Comin」はチャイ・ライツのカヴァー曲。ストーンズは『Tatoo You 40周年記念盤』のプロモーションを狙ってか、 No Filter US Tour の前半でこの曲を何回か演奏しています。最後に「Start Me Up」のレゲエ風のヴァージョンも収録。

Lost & Found – Rarities

Living in the Heart of Love
Fiji Jim
Troubles a’ Comin’
Shame, Shame, Shame Jimmy Reed
Drift Away
It’s a Lie
Come to the Ball
Fast Talking, Slow Walking
Start Me Up” (Early Version)

40th Anniversary Super Deluxe Edition (2021)

スーパー・デラックス・エディションには3枚目に “Still Life – Wembley Stadium 1982” を収録。1982年6月26日、ウエンブレイ・スタジアムでのライヴです。この日は「She`s So Cold」のイントロでチャーリーが表裏逆になってしまいというミスがありましたが、編集で修正されています。

Still Life – Wembley Stadium 1982