Some Girls

キースの逮捕、拘留というストーンズの危機的状況の時期にリリースされた、パンク、ディスコ、カントリー、ソウル、ブルースなど様々な音楽を混在させながらも、バンドのカラーを強く押し出した意欲作。レコーディング・セッションでは40曲以上が録音され、そのうちの何曲かは『Emotional Rescue』や『Tattoo You』にも収録されました。アルバム・リリース後に行われたツアーでは8曲が演奏され、残り2曲も後にライヴ演奏されています。

ゲスト・ミュージシャンは最小限に抑えられましたが、そのなかでも「Miss You」と「Some Girls」に参加したハーモニカ奏者シュガー・ブルーの貢献が目立ちます。ミックが積極的にギターを弾いたことにより3本のギターの分厚い絡みも聴きどころになっています。それが原因なのか、イアン・スチュワートは多くのセッションを欠席し、珍しいイアン・スチュワート抜きのアルバムとなりました。

  1. Miss You
  2. When The Whip Comes Down
  3. Just My Imagination (Running Away With Me)
  4. Some Girls
  5. Lies
  6. Far Away Eyes
  7. Respectable
  8. Before They Make Me Run
  9. Beast Of Burden
  10. Shattered

Released: 9 June 1978
Producer: The Glimmer Twins

Additional Musicians:
Sugar Blue – Harmonica
Ian McLagan – Electric Piano, Organ
Mel Collins – Sax
Simon Kirke – Congas

Deluxe Edition (2011)

2015年には『Some Girls』のデラックス・エディション、スーパー・デラックス・エディションが発売されました。デラックス・エディションの2枚目にはプロデューサーにドン・ワズの名前がクレジットされ、13曲の未発表曲が収録されています。新たに楽器を加えたり、差し替えたりしている曲が多く、中には(現代の)ミックが歌い直している曲もあります。

「Claudine」はアンディ・ウィリアムズの元妻のフランス出身の歌手クロディーヌ・ロンジェが恋人を射殺してしまった事件を歌った曲。元々は『Emotional Rescue』に収録予定の曲でしたが、その曲の収録で一悶着あり、アルバムの発売が遅れたという経緯があります。「When You’re Gone」はミックが明らかに90年代以降の歌い方をしています。ロニー・ウッドのソロ・アルバム『1234』にはこの曲のインスト・ナンバーが「Redeyes」のタイトルで収録されています。「No Spare Parts」はレコード・ストア・ディのシングルとしてリリースされました。「We Had It All」はデラックス・エディション最大の聴きものと言えるキースが歌うカントリー・バラードの名曲。「Tallahassee Lassie」はフレディ・キャノンをカヴァーしたハードなロックンロール。最後に収録された「So Young」は日本盤のみのボーナス・トラック。ミックがピアノを弾きながら歌い、イアン・スチュワートがドラムを叩くデモ音源です。

  1. Claudine
  2. So Young
  3. Do You Think I Really Care?
  4. When You’re Gone
  5. No Spare Parts
  6. Don’t Be a Stranger
  7. We Had It All
  8. Tallahassee Lassie
  9. I Love You Too Much
  10. Keep Up Blues
  11. You Win Again
  12. Petrol Blues
  13. So Young (Japanese bonus track)

Additional Musicians (2011 bonus disc):
Ian Stewart – Piano (1, 2, 3, 8, 11, 12), Drum (13)
Chuck Leavell – Piano (2)
Don Was – Bass Guitar (6), Handclaps (8)
John Fogerty – Handclaps (8)
Matt Clifford – Percussion (6)
Sugar Blue – Harmonica (6, 7)

Super Deluxe Edition (2011)

スーパー・デラックス・エディションはデラックス・エディションにプラスして3枚目に3曲のプロモーション・ヴィデオと『Some Girls: Live in Texas ’78』からダイジェスト3曲を収録したDVD、女性蔑視を理由に発売禁止となった幻の米盤スリーヴを再現した「Beast Of Burden」7インチ・シングル、100ページのハードカバー本、ポートレート、ポストカード、ポスターを同梱した豪華なボックス・セットです。